2006年09月12日

Jukka Eskola ---フィンランディア・グルーヴ

Jukka Eskola 1st

TFCQのメンバーである、Jukka Eskola(ユッカ・エスコラ/tp,flh)

のソロ・アルバム第一弾。

サウンド自体には特に大きく目新しさを感じないが、

60〜70年代のドナルド・バードフレディ・ハバード、トム・ブラウンが

演っていたようなファンキージャズ。また当時頻繁に持ち込まれていた

プレイスタイルがドナルド・バードやフレディ・ハバードによく似ている。

それもそのはず、ハバードが彼のアイドルのようだ。

今のイディオムでいうとスムース・ジャズ、レア・グルーヴ、

クラブミュージックになるだろう。

ジャズの持つアドリブ性とファンキーサウンドがうまく融合したグルーヴで、

ホーン・アレンジ、アンサンブルが良し。

ユッカのペットのクールネスに対して、

ティモ・ラッシー(sax)のプレイはホットというか、

むしろ熱過ぎるくらいなので、ペットとのコントラストが絶妙だ。


<データ>

M1:「INTRODUCTION

幻想的な雰囲気のプレリュード。これまた作りがかなり凝っている。

「さあ、素晴らしく、かなりヒップで、楽しませてくれるトランペッター、

素晴らしいパフォーマーを紹介します。Ladies & Gentlemen。
大きな拍手でお迎えください。本当の、本物の素晴らしいを演奏をしてくれます。

トランペットはかなりイケテます・・・(以下、省略)」。

サンプラー(おそらくネタになっている人も有名だ。ハンコックに似ている声もあり)

のコラージュで登場までのストーリーを構築している。

これはDJの手腕による部分が大きく占めた堂々としたトラックだ。


M2:「1974」(「続きを聴く」)

競馬じゃないが、これが一番人気か。

ノリ心地の良さではブッチギリだろう。

最初のメロディにローズピアノを採用しているのがバッチリはまるサウンドで、

ホーンへと引き継がれ、徐々に盛り上がってくる構成。

リズムが出たり入ったりするのも飽きさせない。

全体のサウンドを支えている鍵になっている楽器は、

ツボを押さえたプレイのJukkis Uotila(本職はDr)のRhodes(ローズピアノ)、

そして何よりも、Jukkaのトランペットではなく、フリューゲルホーンだ。

この楽器だからこそ、付けられる柔らかいニュアンス。

料理で言えば、最も大事な良い出汁が出ている感じだ。

12インチでリリースされているのも頷ける。


M3:「KURO

ハンコックの「Watermelon Man」を踏襲している

であろう構成になっているチューン。


M4:「GO TIME

このプレイスタイルはまさに70年代マイルス。


M5:BUTTERCUP

ルバートで始まるイントロが真っ先に

ヘルシンキ郊外の素朴な風景を思い起こさせた。

計算された展開と全体のリズムアレンジが抜群でポイントが高い。

またリズムセクションが一瞬音を抜くことによって

タメを創っており、ここがある意味聞かせどころでもあるね。

ホーンフレーズはフリューゲルホーンとフルート、テナーサックスで

気持ちよくブレンドされたハーモニーだ。途中、フィンガースナップも

楽器として取り入れられ、アイデアも豊富。

12インチも発売されているようだが、こういう曲はDJが使いやすいのだろう。


M6:「TIMBER UP」

ミドルテンポの骨太なファンキーミュージック。

いや〜、男だ。とても潔い。中音域のストレートなホーンフレーズも説得力がある。

途中、展開するとバックでストリングスが使われているところが、

70年代の一連のハンコック作品を彷彿させる。

ローズなんてまさにハンコックにうりふたつ。


M7:「SELIM

Milesを逆さにしたタイトルという事だ。

いきなりフェードインして聞こえてくるところが、唐突すぎて斬新。

ペットが晩年の枯れたマイルスのような音だ。

どことなく終わりがもの悲しさを感じるマイルスへのトリビュート曲だろうか。

マイルスを踏襲し、多くを語らず、ショートトラックになっているのが伺える。


M8:「DUUDAMDEJ」

イントロのホーンのハーモニーの
重ね方がフェラ・クティのようだ。

それにシンバル、タム、コンがボンゴのプレイがプリミティブで良い。

ローズの音色調整、ハーモ二ーがすっきりしている。

ベースはエレクトリックだ。野太いベース音がビンビン。

おそらく5弦だろう。自由奔放に暴れまわっているのが気に入った。

メロディがどこかアジアンテイストを感じさせる。

これなんか、ペット・ソロが、ドナルド・バードだと思ったら、

途中からトム・ブラウンみたいでかなり気合いが入ってる。

ひとえに音の割れ具合が物語っている。


M9:「LAST BREATH

ローズのトレモロのかかり具合が気持ちよい。

エンハンサーやリヴァーブ、他エフェクター、オーヴァーダビング

を駆使して、フリューゲルホーンの存在感を大胆にアピール。

トラックダウンに一番苦労したのではないかな。


M10:「KURO」(studio live.take4)

ボーナストラック(日本盤)。

スタジオライヴ。リラックスして思いのゆくまま、伸び伸びプレイしている

のが伝わってくる。こういうライヴになるかと思うと嬉しくなる。

それにしてもわざわざtake 4って記載されているのが気になる。

こんな表記されたら、他のtakeも聴いてみたくなるのが常。

 
レコーディングはヘルシンキのFinnvoxというスタジオ。

1965年、当時フィンランドで初の本格的で

プロフェッショナルなスタジオとしてオープン。

このアルバムのレコーディングはおそらくこのスタジオBで間違いないだろう。

上記ページの左下段の画像とCDのライナーノーツの画像が一致する。

場所を調べてみたがヘルシンキ中心部より北西へ10kmほどの郊外に位置するようだ。

中心部から行くと、途中オペラ劇場やオリンピックスタジアム

などが眺められ、自然豊かで風光明媚な通りなので、

春に訪れた「あの時」を思い起こしながら聴くとまた違って聴こえてくる。

噛めば、噛むほど、味の出てくるスルメのようなアルバムだ。
 

参考:■Jukka Eskola ALBUM Sample

FREE AGENT RECORDS


 

 
Jukka Eskola
Jukka Eskola
posted with amazlet on 06.09.13
Jukka Eskola
stride (2005/05/22)
売り上げランキング: 29,415
おすすめ度の平均: 4
4 酒と一緒に聴きたい
タグ:JAZZ
posted by terve111 at 23:58| ロンドン ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Finland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/23668073
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
商品紹介
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。